家事効率化ブログ

家事効率化は女性活躍につながる

女性活躍に関する本を読みました

「いま,翔び立つとき」という本を読んで
家事効率化と女性活躍が関連しているということを学んだので
備忘録として,記事を書きたいと思います。

 

 

この本を書いたのは,メリンダ・ゲイツという方で
マイクロソフト創設者ビル・ゲイツの妻です。
メリンダは,ジェンダーの観点から,世界の貧困や公衆衛生の問題にアプローチしようとしています。

 

女性ばかりに無償労働が偏っている

メリンダによると,世界全体で見ても,女性の担う無償労働(家事・育児などの報酬が支払われない労働)は男性の2倍以上だという調査結果が出ているそうです。寿命で換算すると,女性は男性より7年長く無償労働をしていることになります。大学や大学院を卒業できるほどの期間です。

 

ちなみに,日本では,上記よりもさらにひどい状態です。
内閣府によると,無償労働時間の男女比は,日本が最も大きく,女性は男性の5.5倍の時間,無償労働をしています。2位の韓国(4.4倍)や3位のイタリア(2.3倍)との差も大きく開いており,日本は突出して,無償労働の男女比が大きいことがわかります。

 

この事実を知って,色々な考えが湧いてきました。

たとえば,クオータ制のように女性に一定数の席を確保する議論のとき,男性側から「性別に関係なく能力を評価して採用の可否を決定すべきだ」という意見が出ることがあります。

しかし,前述のように,女性の方が無償労働時間が長いのですから,女性は大きなハンデを背負っていることになります。男性が学業や仕事に専念している間,女性は家事や育児に追われているのです。

そうすると,結果として,当然,能力やスキルに差が出てしまいます。

そんな不平等な条件下で,純粋に能力を評価することができるのでしょうか?
男性より能力が劣っているように見える女性がいたとしても,それは無償労働時間の差が生み出した能力差であって,無償労働の時間を減らしてあげれば,男性以上の能力を発揮する可能性もあります。

 

負の連鎖

日本は,現在でも長時間労働の文化があります。そのせいで,下記のような負の連鎖が生じているのではないでしょうか。

 

【独身時代】

男女ともに長時間労働

【結婚を機に】

家事は女性が担うものというジェンダーバイアスがあるため,女性に無償労働が偏る。その結果,女性の有償労働にかける時間が減り,出世しにくくなり,賃金が低くなる。

【妊娠・出産を機に】

無償労働(家事・育児)にかかる時間が増えるので,これまで通りの長時間有償労働では,時間が足りなくなる。そこで,男女どちらかが有償労働を諦めたり,時間を減らさなくてはならない。その際,前述のように女性に無償労働が偏っているため,結果的に女性の方が男性よりも賃金が低いことが多く,「給与が高い方の仕事を優先する」ために,女性がキャリアを諦めざるを得ないことが多い。その結果,女性にさらに無償労働が偏る。

 

追記:上記を支持するような調査結果を見つけたので追記します。
下記の図2を見てください。

まず,男性の結果ですが,家事時間については,未婚,既婚・子どもなし,既婚・子どもあり,いずれも大きな差はなく,1日あたり33-47分となっています。一方で,仕事時間については,未婚(6時間57分)→既婚・子どもなし(9時間2分)→既婚・子どもあり(9時間36分)の順に増加しています。

次に,女性の結果です。家事時間については,未婚(1時間36分)→既婚・子どもなし(4時間13分)→既婚・子どもあり(6時間33分)の順で著しく増加しています。一方で,仕事時間については,未婚(6時間22分)→既婚・子どもなし(4時間27分)→既婚・子どもあり(3時間59分)の順に減少しています。

 

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引用元:放送研究と調査2016年12月p.50-63.男女の家事時間の差はなぜ大きいままなのか〜2015年国民生活時間調査の結果から〜
 https://www.nhk.or.jp/bunken/research/yoron/pdf/20161201_6.pdf

 

すなわち,上述のように,結婚や出産に伴い,女性ばかりに家事・育児の負担が偏るようになり,女性の仕事にかけられる時間が減り,結果的に,昇進しにくくなったり,パートタイムの仕事に変更せざるを得ないという状況になっているのではないでしょうか。一方で,男性は,結婚や出産に伴い,女性が家事・育児のほとんどを担ってくれるようになるため,仕事に集中しやすい環境となり,仕事時間が増えていくのではないかと思いました。

 

打開策は?

上記のような負の連鎖を断ち切るためには,どうしたらよいのでしょうか…?
私はこの本を読んで,下記の記述がヒントとなりそうだと思いました。

 

経済学者ダイアン・エルソンは,無償労働時間の男女差を縮めるための3つの行動軸を提唱し,3Rと名付けたそうです。

 

  • 認識する(recognize)
  • 減らす(reduce)
  • 分配しなおす(redistribute)

 

まず,認識する(recognize)の段階で,無償労働が行われている事実を認識することから始めます。

 

次に,減らす(reduce)の段階で,調理家電(電子レンジや電気圧力鍋)や食器洗浄機,高機能の搾乳機などの製品を活用して無償労働の時間を減らします。

 

最後に,分配しなおす(redistribute)の段階で,減らせない労働を男女がより平等に担えるよう分配し直します。

 

まとめ

当ブログのメインテーマである家事効率化は,3Rのうちの減らす(reduce)にあたると思います。これからも,家事効率化に役立つ情報を発信することで,女性活躍の推進に少しでも貢献できれば嬉しいです。

 

女性活躍は女性だけの問題ではなく,日本社会全体の問題です。少子化で人口が減少していく日本では,労働力の確保が課題となっています。男性だけでなく,女性も十分に働けるようになれば,日本社会全体の生産性も向上すると思います。この記事が,女性活躍について考えるきっかけになれば,嬉しいです。

 

 
 

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